口座開設での苦労話…
前回の記事で少し触れました法人での銀行口座開設についてお話しをさせていただきたいと思います。
一般的に個人が銀行口座を開設する際、銀行窓口を訪れて数分で通帳がもらえます。キャッシュカードは通常1週間後ほどで郵送されます。しかし法人となると全く違う手続きの流れとなります。多くの方々が個人口座開設と同様に認識しており法人口座開設の際銀行から門前払いを食らったという苦労話が絶えません。私も同じく最初は失敗しました。
まずは当時の私の体験談です。
出向いた銀行は都民銀行(現きらぼし銀行)でした。持参した資料はと言いますと。。
定款
履歴事項全部証明書
印鑑証明書
代表免許証
申込書に記入した住所は登記先の自宅と自身の携帯番号でした。一週間後に連絡が着ましたが、”口座開設をお断りさせていただきます” であっさり審査落ち。理由は一切教えてくれませんでした。お決まり文句の “総合的な判断” です。これは全金融機関共通ですね。
おそらく理由としては携帯番号であると判断できます。ここで改善点として法人設立の際は必ず固定番号を用意するということです。多少経費はかかりますが、電話秘書と専用番号付与というサービスを利用しましょう。相場が最低限のサービス利用で月3000円~5000円です。
次に申し込んだのがネット銀行の楽天銀行です。ここは見事に審査に通りました。私が申込んだ当時は最低限の資料でよかったのですが、ここ1-2年は追加資料で賃貸借契約書や法人名義での何かしらの営業許可書及び顧客との契約書、請求書といった業務を証明する書類が必須となっております。
そして最後に申し込みをした先はメガバンクの三菱UFJ銀行です。ここでは私個人の職務経歴書や勤務先の給与明細及びIDのコピーも提出しました。最終的に審査通過の連絡をいただいたのが三週間後でした。
自身の経験から、自宅登記でこれから信用金庫や地方銀行での口座開設を検討している場合はそれなりに業務をおこなっている環境を自宅の一部エリアに整えるべきであると思います。それなりに担当者から信用を得られれば一番スムーズに審査が通る金融機関はこれらの銀行と判断できます。
法人口座申込時に用意するべき資料
自身の体験から下記の書類は申込先金融機関が必要としていなくても必ず用意すべきと言えます。
定款
履歴事項全部証明書
印鑑証明
法人番号 (国税局HPにて記載されたもの)
会社ホームページ またはパンフレット
法人名義営業許可証、顧問契約書、請求書
賃貸借契約書
法人と代表個人との間での建物賃貸借契約書 *自宅を登記している場合
代表免許証
銀行によっては事務所への訪問あり
私の体験では、信用金庫と地方銀行へ申し込みをした際に事務所への訪問がありました。私が経営する三社のうち二社で各金融機関に申込をした話になります。
このブログの運営会社名義で申し込みを信用金庫で行なった際に担当者がなぜか2名で訪れました。事務所では30分ほど面談し、少し雑談もして和やかな雰囲気で終わりました。翌日に必要書類を提出しスムーズに開設を承ると言われたのですが、その一週間後なぜか事態は急変し開設を断られました。
ただこの信用金庫は珍しく理由を教えてくれました。最大の理由として信用金庫は主に個人事業主や小規模法人で尚且つ少額の資本で運営をしている顧客との取引を優先しているためと教えてくれました。裏を返せば法人成り立てで且つ資本金が1000万円以下のスタートアップ向けとも判断できます。そのため私個人としては物凄く参考になったので弊社名義で申込んだことを全く後悔はしていません。笑
次はもう一社の子会社でとある地方銀行に申込をした時の話です。
必要書類を提出した後担当者より連絡を受け、事務所に訪問をしたいとのことでした。10分ほど自身の経歴と会社の業務を聞かれたのみでした。その3日後に口座開設完了の連絡を受けて通帳を取りに銀行へ出向きました。
これまでの経験から担当者は特に人柄を見ているという感じを受けました。経歴やどのように法人設立に至ったかという経緯をスムーズに説明できれば特に問題なく審査に通るという認識で良いかと思います。
まずは地方銀行、信用金庫、ネット銀行
これまでの説明からまずは、登記住所付近の地方銀行や信用金庫に問い合わせをしてみましょう。飛び込みで窓口へ出向くよりもまずアポイントメントを取り、法人営業の担当者と面談することがスムーズです。用意できる書類は全て持参し、担当者に掛けあうことが信用の一歩です。こちら側が顧客という意識は捨てましょう。法人口座の開設には日数を要するため各金融機関同時に申込手続きをおこなうことをおすすめします。ネット銀行の場合は、初めは楽天、住信SBI、ジャパンネット、GMOあおぞらネット銀行のいずれか一社で良いかと思います。地方銀行または信用金庫のいずれかで開設完了した後にネット銀行へ申し込みという順番でも良いかと思います。その際は必ずの口座開設できた銀行通帳のコピーも同封しましょう。それにより信用が上がります。