法人設立

法人化して資産運用する話

メリットとディメリットとは?

株式投資やFX取引と聞きますと個人で口座を開設して運用するのが一般的と思います。しかし法人成りして運用することにより個人では得られないメリットがあります。

メリットその1 ~社会的信用~

個人で資産運用をする場合は、利益や配当が雑所得収入となります。この場合ですと給与所得ではないためどれだけ稼いでも賃貸借契約等を私生活で結ぶ場合、全く審査対象となりません。そのため投資である程度資金が貯まり、いざ独立しようと事務所を借りたり、少し高級なマンションを借りようとしても完全に不利となります。

法人で予め運用している場合はその収入が会社の所得及び売上となり決算書に算入されるため、個人の給与所得と同等に扱われます。そのため法人としての運用暦が長ければ長いほど信用が蓄積され本格的に独立、融資を受ける際や高級賃貸を契約する際に有利となります。

-ここでのポイント

なるべく早めに法人化し、運用歴を重ねることです。

例えば学生時代から法人設立し就職後も副業として運用し続けることにより独立する際に数年 (数期)の決算書を用意できます。これにより審査時に信用度が上がるため独立後スムーズに動くことができます。

メリットその2 ~ 経費が多く認められる~

個人や個人事業主の場合は認められる経費に限度があります。事業の実態や経費の使い道が不透明と見られやすく一部しか認められないこともあります。しかし法人であれば事業目的や実態がはっきりと証明できるため交際接待費やパソコン代など多くのものが計上できます。さらに自宅を登記している場合では家賃の一部を経費とすることも可能です。最終的に投資からの収入と経費を相殺した残りが課税対象のため節税効果もあります。

メリットその3 ~繰越損金が長期間~

法人化の最大なメリットとも言えるのがこの繰越損金です。個人では株式投資やFXで損失を出した場合、最大で3年までしか相殺ができません。これが法人の場合は9年まで繰越すことができます。さらに個人では確定損失しか対象になりませんが、法人においては評価損失 (時価評価損失)が決算書に算入されます。算入されるため、その年度の所得とも相殺され、残りの評価損失を翌年に繰越すカタチとなります。

*応用編記事参照

ディメリットは…? ~コストが掛かる~

法人化のディメリットしてまず挙げられるのがコストです。法人設立・登記する際は15~25万円近くかかります。さらに毎月の税理士顧問料や期末決算費、そして法人税があります。

税理士費用の相場が月額1万~2万円、決算費用が12万円前後である場合がほとんどです。これは法人での確定申告や決算書作製費が含まれているパターンが多いです。

さらに法人税は均等割があり。売上と損失関係なく毎年発生します。

従業員50名以下が前提として資本金が1000万円以下の場合は毎年7万円となっており、1001万円より上の場合は18万円となります。

そして法人の所得 (利益分)に対しての課税(実効税率+地方税・国税+その他)は、800万円以上は 約35%前後で800万円以下は 約25%前後となっています。

*2019年時点

個人運用および雑所得扱いの唯一のメリットは税率でその所得額関係なく一律の約20%です。しかし、これが個人事業主となった場合は総合課税扱いになるため法人よりも高くなり所得金額によっては50%を超える場合もあります。

*ここ数年仮想通貨が話題になりましたが、個人投資の場合であってもこれに関しては雑所得ではなく総合課税扱いとなっていたため億り人の大多数は半分以上税金で持っていかれる事態となっていました。そのため仮想通貨は法人で運用するほうが有利と理解できます。

法人化する際にまず選択するべきことはその会社組織のカタチです。設立費用や税理士顧問料についてはその法人のカタチや資本金額により変動することもありますが、設立時にコストを抑えられるカタチが合同会社です。

合同会社において注意しなければならないのが、社員全員に同等の経営権利が発生することです。一人の場合は関係ありませんが、他者や複数の身内と起業する場合はその権利をはっきりさせた株式会社が適切かと思います。

*合同会社を後に株式会社化することは可能

法人化する際はメリットが多々ありますが、コストの面においてディメリットがあることも忘れてはいけません。先行投資と割り切ることが大切ですが、登記後毎年どの程度経費と維持費が発生するかを把握しながら最低限の事業収入も計算することが重要です。

今後も法人化に関した応用編やコツについて投稿したいと思います。

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