昨年から続く円安が話題になっている。1998年に記録した147円を突破し、151.98で一度天井を打った形だ。財務省も為替介入に2度踏み切り大きな話題となった。報道では日米の金利差が原因やドル高の独り歩きと言われているが、一方でテクニカルに観ると一連の円安原因が理解できる。まずは下記の長期チャートをみてほしい。
まずは、プラザ合意(1985年)後の最初の天井と考えられる1990年に161円が記録されている。ここが上記チャートの最初の赤枠部分だ。その後1998年まで一度もこの161円に戻ることなく147円で天井を打った。ここが上記チャート二番目の赤枠部分。このパターン(8~9年周期)を当てはめてみると、次に2007年(3番目赤枠)の124円台天井、2015年(4番目赤枠)の125.55円前後天井そして昨年から今年にかけての5番目赤枠と続いている。ここでまず分析できることは8~9年の周期でドル円は天井を打っていることがわかる。さらになぜかこのタイミングで財務省も24年ぶりに為替介入を実施した。
2015年の計算からして今回は1年早く天井を打ったと分析するのもいいが、再度今年の2023年または来年の2024年にかけて151円台を目指す可能性は十分にあるとも言える。昨年の151円台でのFXロング利確や現物為替差益を逃した個人にもまだチャンスはある。
上記のテクニカル分析に加えて少しファンダメンタルズ分析を話すと、今年4月に任期を迎える黒田日銀総裁の件だ。これを機会に今後の日銀の金融政策の方針で市場がどう反応をするかだ。これで一方的に円高が進むようであれば昨年からの円安トレンドは終了と結論づけたほうがよいかもしれない。
そして最後に来年の話ではあるが大統領選を迎える。仮に今年の日銀の金融政策で140円台に戻る円安方向に出れば2024年大統領選でもう一押しの151台突破の円安となりこれが天井となる可能性が高い。そして2024年大統領選後からは円高方向に切り替わるという分析だ。
以上の点から過去の8~9年周期のテクニカル分析は今後の円安傾向相場で役立てることができる。